Claude の Team プランと Enterprise プラン、中小企業はどちらを選ぶ?|従業員10〜100人の判断基準

冒頭

従業員25人のマーケティング会社で、社長がこんな悩みを抱えていた。「社員5人が Claude を個人の Pro プランで使っている。経費精算も面倒だし、誰が何を入力しているか把握できない。会社として法人プランを入れたいが、Team と Enterprise のどちらにすればいいのか分からない」。

Claude を個人利用から法人利用に切り替えたい。でも、法人向けには Team プランと Enterprise プランの2つがあり、料金も機能も違う。中小企業にとって、どちらが正解なのか。

この記事では、従業員10〜100人の中小企業の経営者・管理職に向けて、Team プランと Enterprise プランの違いを料金・機能・セキュリティ・管理の4軸で比較する。記事の最後に、自社に合ったプランを判断するためのチェックシート(PDF)を用意している。

Team プランと Enterprise プラン、何が違うのか

Claude 法人プランの全体像

図: Claude 法人プランの全体像

まず全体像を整理する。Claude には個人向けの Pro プラン、チーム向けの Team プラン、大規模組織向けの Enterprise プランがある(2026年4月時点)。

Pro プランは月額約3,000円で1人で使うプランだ。今回の記事では、法人として複数人で使う場合に選択肢となる Team プランと Enterprise プランに絞って比較する。

Pro プランとの違いや個人向けの選び方は「Claude 料金プラン完全ガイド」(/articles/506)で、Pro と Max の違いは「Claude Pro と Max の違い」(/articles/520)で解説している。

料金の比較

Team プランの料金は、1人あたり月額約4,500円(年払いの場合)。最低利用人数は5人からとなっている。つまり、最低でも月額約22,500円がスタートラインだ。

5人で使う場合: 月額約22,500円(年額約270,000円) 10人で使う場合: 月額約45,000円(年額約540,000円) 20人で使う場合: 月額約90,000円(年額約1,080,000円)

Enterprise プランの料金は公開されていない。Anthropic(Claude を開発している会社)の営業チームに問い合わせて、個別に見積もりを取る必要がある。一般的には、Team プランよりも1人あたりの単価は高くなるが、利用人数が多い場合はボリュームディスカウントが適用されることがある。

中小企業にとっての現実的な判断基準は「年間予算でいくら出せるか」だ。年間50万円以下で収めたいなら Team プランの10人以下が現実的。年間100万円以上の予算を確保でき、かつセキュリティ要件が厳しいなら Enterprise プランの検討に値する。

注意点として、料金は変動する可能性がある。最新の正確な料金は、Anthropic の公式サイト(claude.ai)で確認してほしい。

機能の比較

Team プラン vs Enterprise プラン — 主な機能の違い(2026年4月時点)

図: Team プラン vs Enterprise プラン — 主な機能の違い(2026年4月時点)

機能面での大きな違いは「管理・セキュリティ機能の充実度」だ。

Team プランでできること:

  • Claude の最新モデル(Opus、Sonnet、Haiku)をすべて利用できる
  • Projects(プロジェクト)機能で、チーム共有のナレッジベースを構築できる
  • 管理者ダッシュボードで、メンバーの利用状況(誰がどれくらい使っているか)を把握できる
  • Pro プランよりも多い利用量上限
  • 入力データは AI の学習に使われない

Enterprise プランで追加される機能:

  • SSO(シングルサインオン): 会社の Microsoft 365 や Google Workspace のアカウントで Claude にログインできる。社員は新しいパスワードを覚える必要がなく、退職時のアカウント停止も一元管理できる
  • SCIM: 社員の入退社時に、Claude のアカウントを自動的に追加・削除できる仕組み
  • 監査ログ: 誰が、いつ、どのくらい Claude を使ったかの記録が残る
  • ドメイン制限: 自社のメールアドレス(例: @example.co.jp)を持つ人だけが利用できるよう制限
  • カスタム利用ポリシー: 組織固有のルール(特定の用途を禁止するなど)を設定
  • 専任のカスタマーサクセス担当者がつく

中小企業にとって、この差が「必要」になる場面を具体的に考えてみよう。

SSO が必要になるのは、Microsoft 365 や Google Workspace でアカウント管理を一元化している会社だ。社員が10人程度なら、個別にメールアドレスとパスワードで管理しても手間はさほどかからない。50人を超えると、入退社のたびにアカウントを個別管理するのが面倒になり、SSO のありがたみが増す。

監査ログが必要になるのは、金融、医療、法務など規制産業に属する会社や、ISO 27001 などの情報セキュリティ認証を取得(または取得予定)の会社だ。こうした会社では「AI の利用状況を記録・監査できること」が求められるケースがある。

逆に言えば、SSO も監査ログも不要で、チーム内で Claude を効率よく使えればよい——という中小企業は、Team プランで十分だ。

セキュリティの比較

両プランとも、入力データが AI の学習に使われないという点は共通だ。中小企業が気にすべきセキュリティの違いは以下の通り。

Team プラン:

  • 入力データは AI の学習に使われない
  • 通信は暗号化されている
  • SOC 2 Type II 認証取得済み

Enterprise プラン(上記に加えて):

  • SSO による認証強化
  • SCIM による自動ユーザー管理
  • 監査ログによる利用追跡
  • カスタムデータ保持ポリシー(データの保存期間を自社の方針に合わせて設定可能)
  • 専用のセキュリティレビュー

セキュリティに関する詳細は「Claude に社内情報を入れても大丈夫?」(/articles/512)で解説している。

管理機能の比較

Team プランの管理機能:

  • メンバーの追加・削除
  • 利用状況の確認(ダッシュボード)
  • 請求の一元管理

Enterprise プランの管理機能(上記に加えて):

  • SSO / SCIM によるアカウントの自動管理
  • 部門・チーム単位でのアクセス権設定
  • 利用ポリシーのカスタマイズ
  • API 利用量の管理と制限

従業員10〜30人の会社であれば、Team プランの管理機能で十分に運用できる。メンバーの追加・削除は管理画面から数クリックで完了するし、利用状況も確認できる。

50人以上になると、アカウント管理の手間が増えるため、SSO/SCIM があると運用コストが下がる。ただし、Enterprise プランの料金との兼ね合いになるため、「管理の手間にいくら払えるか」という判断が必要だ。

判断チャート: あなたの会社はどちらを選ぶべきか

Team vs Enterprise 判断チャート

図: Team vs Enterprise 判断チャート

以下の4つの質問に答えるだけで、自社に合ったプランが分かる。

Q1. Claude を使う人数は50人以上か? → はい → Enterprise プランを検討。50人以上の場合、アカウント管理の手間を考えると SSO/SCIM の価値が大きい。 → いいえ → Q2 へ。

Q2. SSO(会社の既存アカウントでの Claude ログイン)は必須か? → はい → Enterprise プランが必要。Team プランには SSO 機能がない。 → いいえ → Q3 へ。

Q3. 監査ログ(利用状況の記録)が法令や情報セキュリティ認証の要件として求められているか? → はい → Enterprise プランが必要。金融機関、医療機関、ISO 27001 認証取得企業などが該当する。 → いいえ → Q4 へ。

Q4. AI ツールに年間100万円以上の予算を確保できるか? → はい → Enterprise プランの見積もりを取ってみる価値がある。Team プランとの比較材料になる。 → いいえ → Team プランで始めるのが現実的。

このチャートの結果、大半の中小企業(従業員10〜50人、規制産業以外)は Team プランに落ち着く。Enterprise プランは「必要になったらアップグレードする」というスタンスで問題ない。

Team プランの導入ステップ(15分で完了)

Team プランの契約は、管理者(経営者または IT 担当者)が1人で完了できる。以下のステップで約15分だ。

ステップ1: claude.ai にアクセスし、アカウントを作成する(既に Pro プランを使っている場合は、そのアカウントでOK)。

ステップ2: 設定画面から「チームを作成」を選択する。

ステップ3: チーム名(会社名やプロジェクト名)を入力し、支払い情報を登録する。

ステップ4: メンバーを招待する。メールアドレスを入力するだけで、招待メールが届く。

ステップ5: メンバーが招待メールのリンクをクリックしてアカウントを作成すれば、チームに参加完了。

管理者は、ダッシュボードからメンバーの追加・削除、利用状況の確認、請求書のダウンロードができる。

Claude Cowork 自体の基本操作は「Claude Cowork とは」(/articles/503)で解説している。

導入前に社内で決めておくべき3つのこと

プランを契約する前に、以下の3つを社内で決めておくと、導入後の混乱を防げる。

1つ目: 誰が使うか。全社員に配布するか、特定の部門(マーケティング、営業、経理など)から始めるか。コストを抑えたいなら、まず AI 活用のニーズが高い5〜10人から始めて、効果を見てから拡大するのが堅実だ。

2つ目: 何に使うか。利用目的を明確にしておくと、導入後の ROI(投資対効果)を測定しやすい。「メール作成の効率化」「議事録の自動要約」「資料作成の補助」など、具体的な用途を2〜3個決めておく。

3つ目: AI の社内ルール。Team プランを導入する前に、AI の利用ルール(ガイドライン)を作っておくことを勧める。詳しくは「AI を社内で使うならルールが先」(/articles/523)で解説している。

まとめ

従業員10〜100人の中小企業が Claude を法人導入するなら、まず Team プランから始めるのが現実的だ。月額4,500円×人数で始められ、セキュリティ・管理機能も中小企業には十分。SSO や監査ログが必要な場合のみ Enterprise プランを検討すればよい。まずは AI 活用のニーズが高い5人で Team プランを契約し、3か月使ってみて効果を測定する——そこから判断しても遅くはない。

特典

Team プランと Enterprise プランの違いを一覧にしたチェックシート(PDF)を用意した。自社の状況を書き込むだけで、どちらのプランが合っているか判断できる。社内稟議にも使えるフォーマットだ。

→ Claude 法人プラン比較チェックシートをダウンロードする(無料) /resources

参考リファレンス

  • Anthropic 公式サイト(anthropic.com)
  • Claude 公式料金ページ(claude.ai/pricing)
  • Claude Works 関連記事:「Claude 料金プラン完全ガイド|個人・チーム・法人プランの選び方」(/articles/506)
  • Claude Works 関連記事:「Claude Pro と Max の違い|非エンジニアのための選び方」(/articles/520)
  • Claude Works 関連記事:「Claude に社内情報を入れても大丈夫?」(/articles/512)
  • Claude Works 関連記事:「AI を社内で使うならルールが先|中小企業の社長が最初に決めるべきガイドライン5項目」(/articles/523)
  • Claude Works 関連記事:「Claude Cowork とは」(/articles/503)