Claudeを会社で使いたいけど、どのプランを選べばいいか分からない」。この相談は、法人導入の検討段階で最も多く聞かれます。Free、Pro、Team、Enterpriseの4つのプランがあり、特にProとTeamの違いが分かりにくいという声が目立ちます。

さらに最近は、最初の数人で使い始めた会社から「気づけば営業・経理・総務まで30人が使っている。このまま増やして大丈夫か」という、一段先の相談も増えてきました。

この記事では、Claude Teamプランを中心に、法人利用に必要な情報をプラン選定から契約手順、社内展開、複数部署運用まですべてまとめました。5名以上で導入を検討している企業の経営者・管理職の方に読んでいただきたい内容です。

なお、Claude Team(クロード・チーム)の読み方や表記について先に整理しておきます。英語表記は Claude Team で、公式ドキュメントでは Team plan や Claude for Teams と呼ばれることもあります。「Claude Teams」と複数形で検索する方もいますが、公式のプラン名は単数形の Claude Team です。複数形での検索は、表記の揺れか、後半で扱う複数チーム運用を探している場合がほとんどです。指しているプランは同じものと考えて差し支えありません。

Claude の4つのプラン比較

まず、全体像を把握しましょう。2026年4月時点の情報です。

項目 Free Pro Team Enterprise
月額料金 無料 $20/人 $30/人 要問合せ
最低利用人数 1名 1名 1名〜 要相談
メッセージ量 制限あり 5倍 5倍 カスタム
データ学習不使用 × 設定可 (組織単位)
管理コンソール × ×
利用状況分析 × ×
SSO(シングルサインオン) × ×
共有Projects × ×
Claude Codeチーム配布 × ×
SOC 2 Type II 準拠 × ×
カスタムデータ保持 × × ×
SLA(稼働保証) × × ×
専用サポート × × ×
優先アクセス ×

SOC 2 Type II とは、米国公認会計士協会(AICPA)が定めた情報セキュリティに関する第三者認証の一種です。情報セキュリティ担当者から「業界標準のセキュリティ認証を取得しているか」と聞かれたとき、即答できる状態になります。

結論から言うと、法人で5名以上が利用するなら、Teamプランが最も費用対効果が高い選択肢です。

Pro と Team は何が根本的に違うのか

料金だけ見るとProとTeamは近く見えますが、設計思想が根本的に違います。ここが腹落ちすると、以降の章で迷いにくくなります。

  • Pro は「1人の仕事道具」です。個人のメール・議事録・資料作成を助けますが、他のメンバーと会話履歴やProjectsを共有する前提がありません
  • Team は「チームの仕事道具」です。Projects(案件や顧客ごとに資料・会話をまとめる機能)をチームで共有でき、管理者が利用状況を把握でき、入退社の管理が1画面で完結します

たとえば15人のマーケティング会社で、案件ごとに顧客資料・過去のメール文面・ブランドガイドラインをClaudeに持たせて使いたい場合、Proを15人分契約すると15個のバラバラな箱ができます。Teamなら1つの共有箱にみんながアクセスする形になり、あとから参加したメンバーもすぐ同じ情報に触れられます。Pro人数分とTeamの料金が近くても、本当の論点は「共有と管理の価値をいくらで買うか」という経営判断です。

Teamプランの料金体系を詳しく見る

Teamプランの料金は1人あたり月額$30(約4,500円)です。年払いの場合は割引が適用される場合があります。

Proプラン5名分 vs Team5名の比較

項目 Pro×5名 Team×5名 差額
月額費用 $100(約15,000円) $150(約22,500円) +$50(約7,500円)
管理コンソール ×
利用状況分析 ×
SSO ×
共有Projects ×
データ学習不使用(組織管理) ×

月$50(約7,500円)の差額で、管理機能一式が手に入ります。社員が「何にどれくらい使っているか」を把握できるだけでも、この差額の価値はあります。 さらに、セキュリティ面でデータ学習の不使用を組織レベルで管理できることは、法人利用では必須の要件です。

10名、20名、50名の場合のコスト

人数 Pro月額 Team月額 差額/月
10名 $200(約30,000円) $300(約45,000円) $100(約15,000円)
20名 $400(約60,000円) $600(約90,000円) $200(約30,000円)
50名 $1,000(約150,000円) $1,500(約225,000円) $500(約75,000円)

人数が増えるほど差額は大きくなりますが、管理コストの削減効果も比例して大きくなります。50名のProアカウントを個別に管理する手間を考えれば、月75,000円のTeam管理機能は十分にペイします。

支払い方法と経理担当者への伝達事項

支払いはクレジットカード(Visa / Mastercard / American Express)が基本で、請求は米ドル建てです。日本円の請求書払いが必要な場合は、Enterpriseプランで対応可能です。

経理担当者には、毎月の請求額が為替の影響で微妙に動くことを事前に伝えておくのが安全です。月次決算でバラつきが出たとき、経理側が戸惑わずに済みます。会計処理は「通信費」「ソフトウェア利用料」「支払手数料」のいずれかの科目で揃えるのが一般的です。正確な取り扱いは顧問税理士に確認してください。

Team限定機能の詳細

管理コンソール

Teamプランの最大の強みが管理コンソールです。管理者は以下のことができます。

  • メンバーの追加・削除: メールアドレスで招待し、離職時にはアカウントを無効化
  • ロール(権限)管理: 管理者と一般メンバーの権限を分離
  • セキュリティ設定: データの取り扱いポリシーを組織レベルで設定
  • 課金管理: 請求履歴の確認、次回請求予定額の把握、プランの変更、支払い方法の管理

Proプランでは、これらすべてを各個人が個別に管理する必要があります。社員が退職した場合、そのアカウントの処理も本人任せになってしまいます。

なお、退職者のアカウントは自動では削除されません。管理者が管理コンソールから削除する必要があります。退職者のアカウントに紐づいた会話履歴やProjectsは、削除前にエクスポートするかバックアップを取るのが実務的です。退職者処理の手順は、人事部・IT部・業務部署の合意のうえで社内の業務手順書(SOP)に追加しておくと、毎回の判断に迷いません。

利用状況分析

管理コンソールでは、チーム全体と個人別の利用状況を確認できます

  • 月間のメッセージ数・利用頻度
  • 利用が多い時間帯
  • アクティブユーザー数と利用率

このデータは、研修の効果測定にも活用できます。「研修前の利用率30%が、研修後に80%に上がった」といった定量的な報告が可能になります。

SSO(シングルサインオン)

SSO とは、社内で使っている認証システム(Google Workspace、Microsoft 365 など)のアカウントで、Claudeにもログインできる仕組みです。

SSO を導入するメリットは3つあります。

  1. パスワード管理の簡素化: 社員が新しいパスワードを覚える必要がない
  2. セキュリティの向上: 退職時に社内アカウントを無効化すれば、自動的にClaude へのアクセスも遮断される
  3. 利用開始の簡単さ: 既存のアカウントでログインするだけなので、導入のハードルが下がる

共有Projects

Teamプランでは、Projects(プロジェクト機能。案件や顧客ごとに資料・会話・指示をまとめる機能)をチームメンバーと共有できます。これは非常に強力な機能です。

例えば、営業部門で「提案書作成プロジェクト」を作り、自社のサービス資料、テンプレート、過去の成功事例をアップロードしておく。これを営業メンバー全員で共有すれば、誰が使っても同じ品質の提案書を作成できます。担当者の引き継ぎ・異動・退職のたびにナレッジが霧散する問題が、共有Projectsで一気に減ります。

個人のProプランでは、Projectsは個人ごとに管理されます。Aさんが作った優秀なプロジェクト設定を、Bさんに共有する手段がありません。組織のノウハウを共有・蓄積するには、Team の共有Projectsが不可欠です。

Claude Code のチーム配布

Claude Code は、ターミナル(コマンドを入力する黒い画面のソフト)からClaudeをエージェントとして使う製品です。非エンジニアには縁遠く見えますが、社員がExcel自動化・ファイル整理・定型メール生成に使う例が増えています。

Teamプランではこの Claude Code をチームの契約枠から一括で配布できます。個人ごとに別途用意する手間がなく、全社員にClaude Codeを配れる土台が最初から整っている、という点だけ押さえておけば十分です。Claude Code の利用にはAPI利用料(使った分だけ支払う従量課金)が別途かかりますが、利用状況は管理コンソールで把握できます。

入力データを学習に使わない設計

Teamプランでは、契約上、入力したデータをAIモデルの学習に使用しない設計になっています。これは組織レベルでデフォルト有効です。社内の未公開情報、顧客の個人情報、未公開の財務データをClaudeに入力する場面で、この1行が稟議の最後の背中を押すことが多い箇所です。情報セキュリティ部や顧問弁護士への説明用にも、明確に記憶しておいてください。

Enterpriseプランとの違い

Teamプランでも十分な法人利用が可能ですが、以下のケースではEnterpriseプランの検討が必要です。

Enterprise が必要になるケース

ケース1: データ保持ポリシーのカスタマイズが必要

金融や医療など、業界規制でデータの保持期間や保存場所に厳格な要件がある場合。Enterprise では、データの保持期間や削除ポリシーをカスタマイズできます。

ケース2: SLA(稼働保証)が必要

業務がClaude に強く依存しており、サービスが停止すると重大な業務影響が出る場合。Enterpriseでは稼働率の保証が契約に含まれます。

ケース3: 50名以上の大規模展開や厳格なガバナンス

大規模な組織では、SSOの必須化、監査ログ(誰がいつ何を使ったかの記録)、ドメイン制限(自社メール以外は参加不可)の技術的な強制、専任のカスタマーサクセス担当、MSA(基本契約書)対応などが必要になります。Enterpriseプランでは専任の担当者がつきます

多くの中小企業にはTeamで十分

従業員100名以下で、特別な規制要件がない業種であれば、Teamプランで十分です。Enterpriseプランの料金は公開されていませんが、一般にTeamプランの数倍の費用がかかります。まずはTeamプランで始めて、必要に応じてEnterpriseへのアップグレードを検討するのが現実的な進め方です。

Team から Enterprise へ移行すべきサイン

具体的には、次のサインが2つ以上出てきたらEnterpriseの見積もりを取る段階です。

  • Claudeを使う社員が50名を超えた
  • SSOが必須要件になった
  • 監査ログが法令・認証上必要になった
  • ドメイン制限を技術的に強制したい
  • 専任のカスタマーサクセス担当・契約カスタマイズ・MSA対応が必要になった

Teamプランで1年以上の運用実績を積んだうえでEnterpriseに上がると、移行がスムーズです。

Teamプランの導入手順(15分で完了)

実際の導入手順を、ステップバイステップで解説します。管理者(経営者またはIT担当者)が1人で完結できる流れです。

事前準備(5分)

  • クレジットカード情報を手元に用意(会社名義のカードが望ましい)
  • 会社名の英語表記を確認(契約書・請求書の宛名に使う)
  • 初期メンバーのメールアドレスリストを5〜10件用意
  • 社内の法務・経理に事前説明(月額・年額の目安を共有しておく)

ステップ1: 管理者アカウントとプラン選択(1分)

claude.ai にアクセスし、管理者となる方のメールアドレスでアカウントを作成します。すでにProプランを利用中の場合は、同じメールアドレスでログインしてからTeamプランにアップグレードできます。プラン一覧からTeamを選びます。

ステップ2: ワークスペース情報を入力(3分)

ワークスペース(Teamの箱)に必要な情報を入力します。

  • ワークスペース名(社名またはプロジェクト名。後から変更可能)
  • 支払い方法(クレジットカード)
  • 初期人数(あとから増減可能)
  • 請求先メールアドレス(経理宛)

ステップ3: 支払い情報を登録(2分)

クレジットカード情報を入力します。決済完了のメールが請求先アドレスに届きます。

ステップ4: メンバーを招待(3分)

管理コンソールからメンバーのメールアドレスを入力して招待します。一括で複数のメールを貼り付けることも可能なため、20名の招待でも5分程度で完了します

ステップ5: メンバー側の初回サインアップ(1人あたり2分)

招待を受けたメンバーは、メール内のリンクをクリックし、アカウントを作成(または既存アカウントを紐づけ)するだけで参加完了です。初めてClaudeを使う人も、名前とパスワードを入力するだけで、すぐワークスペースにアクセスできます。

ステップ6: ロール設定と初期ルール共有(10分)

最後に、契約初日にやっておくと後が楽なことを行います。

  1. ロール(権限)の設定。管理者(Admin)と一般メンバー(Member)を分け、部署ごとに管理者を置くと運用がスムーズです
  2. セキュリティ設定の確認。入力データの学習不使用はデフォルトで有効です。SSOが必要な場合はIT担当者と連携します
  3. 全社共通の知識を入れる共通Projectsを1つ作成
  4. 利用ガイドラインの共有(機密情報の扱い、社外秘の判断、問い合わせ先)と、Slack・Teams・メールでのワークスペースURL・初期ルールの通知

なお、管理者は2〜3人に設定することを強くおすすめします。1人だと、その人が休暇・病欠・退職したときにロックアウト(管理者が誰もいなくなり設定変更ができなくなる状態)のリスクがあります。「社長(兼務)+IT担当+DX推進担当」のような3人体制が典型です。

導入初日から1週間の社内展開ロードマップ

契約だけ終えて、そこから先が何も進まない、というのが最も多い失敗パターンです。アカウントを配っただけでは定着しません。非エンジニア3人で回す前提の、最初の1週間のロードマップを示します。

Day 1(契約当日・1時間)

管理者が契約を完了させ、初期メンバー5人を招待します。部署横断がおすすめです(営業1・経理1・総務1・マーケ1・企画1など)。利用ガイドラインの下書きも共有します。この日は「箱を作って5人に鍵を配った」ところまでで完了です。

Day 2〜3(使い方の共有・合計2時間)

30分のキックオフミーティングを実施します。メンバーが自分のノートパソコンで一緒にClaudeを開き、同じプロンプトを全員で試すと、操作への不安が一気に下がります。非エンジニアが最初に戸惑うのは「どこに何があるか」なので、画面を見ながらの30分が最も投資対効果の高い時間です。

Day 4〜5(実務プロンプトの試運転・各自1〜2時間)

各メンバーが自分の職種の実務プロンプトを3本試します。

  • 営業担当: 顧客メール下書き、提案書の論点整理、議事録整形
  • 経理担当: 経費分類、月次報告の要約、請求書の文面チェック
  • 総務担当: 規定文書の整合性チェック、社内通知文の下書き
  • マーケ担当: 競合調査の要約、ランディングページの文案、SNS投稿下書き
  • 企画担当: 企画書の構成、ストーリーボード、市場調査の要約

各自が自分の業務に引き寄せて試すことで、「自分の仕事がどれくらい楽になるか」が個人の体感として残ります。

Day 6〜7(振り返りと次週計画・合計1.5時間)

1週間使った所感を5人で持ち寄り、役に立った使い方トップ3、戸惑った場面、次に試したい使い方を整理します。そのうえで、追加で招待するメンバー5人ほどを決め、ガイドラインを実運用で見えた課題を反映して改訂します。

この1週間を丁寧に回すと、2週間目には追加10人、3週間目には30人、1ヶ月後には全社展開、という自然なスケールアップが実現します。焦って一気に広げすぎるのが、最も多い失敗の原因です。

複数チーム・多部署で運用するときの設計

最初の1部署で成功すると、次は「複数の部署にどう広げ、どう情報を整理するか」が課題になります。20〜100人規模の中堅企業向けに、運用の設計図を整理します。

複数チーム運用の3パターン

パターン1: 1つのワークスペース内でProjectsを分ける(推奨・最もシンプル)

1つの契約の中で、部署・業務ごとにProjectsを作って情報を分ける方法です。20〜50人規模で最も採用されます。同じ経営者・同じ管理部門が全社を見ており、扱う情報の機密レベルに極端な差がない会社に向きます。契約・請求・管理が1本化され、兼務や異動にも強い一方、部署間の情報境界は技術ではなくルールで守る必要があります。

パターン2: 複数のワークスペースを契約する(中堅〜大企業・グループ会社向け)

部署単位または事業部単位で、複数のワークスペースを別々に契約する方法です。50〜100人規模や、事業部ごとに独立した予算・IT管理権限・会計がある会社で採用されます。情報境界が技術的に保証され、請求も分けられますが、契約・管理が複数になり総額コストは増えます。

パターン3: 親子会社で別々に運用する(グループ経営・M&A後)

親会社・子会社で別々のワークスペースを契約し、情報境界を厳格に保つ方法です。親子会社間で法務・契約・知財の情報を絶対に混ぜてはいけない場合や、上場準備中で監査法人から情報管理の指摘を受けている場合に向きます。

ワークスペースを分けるべきかを判断する5つの軸

パターン1(1ワークスペース)で始めるか、パターン2・3(複数ワークスペース)にするかは、次の5つの軸で判断します。

  1. 情報境界の要件: 「A部署は見てよいがB部署は絶対に見てはいけない」情報(人事の査定資料、法務の訴訟情報、経営企画のM&A資料など)が明確にあるか
  2. 管理責任の分離: IT管理者を部署・事業部ごとに別々に置く必要があるか
  3. 請求の独立性: 部署別・子会社別の会計で、利用料を請求書ごとに分ける必要があるか
  4. ガバナンスの層: 社内規定・コンプライアンス要件が部署ごとに異なるか
  5. 監査・認証要件: ISO 27001・Pマーク・上場準備などで、利用範囲を部署ごとに分けて説明する必要があるか

5つのうち3つ以上が「はい」なら、ワークスペース分離(パターン2・3)を真剣に検討してください。2つ以下なら、1ワークスペースで始め、運用しながら必要に応じて分離を検討するのが実務的です。 多くの中堅企業は1〜2つの「はい」に収まり、1ワークスペース内のProjects分離とガイドラインでカバーできます。最初から複数ワークスペースにすると、管理コストが運用メリットを上回りがちです。

1ワークスペースでのProjects設計

パターン1を選んだ場合、Projectsの設計が運用の成否を分けます。

命名規則は「部署コード(英字2文字)+業務種別+具体名」の3要素で統一します。例えば「SL_提案_A社」(営業 Sales)、「MK_競合調査_2026Q2」(マーケティング)、「AC_月次決算_2026年4月」(経理 Accounting)、「HR_採用_中途2026春」(人事)、「LG_契約レビュー_B社NDA」(法務 Legal)といった形です。これだけで、一覧画面から自部署・他部署のものが一目で判別できます。

ナレッジ(Claudeに持たせる前提資料)は3層構造で整理します。

  • 第1層 全社共通: 会社概要、ブランドガイドライン、社員名簿、経営理念。1つ作って全員に閲覧権限を与える
  • 第2層 部署共通: 各部署の業務標準、定型テンプレート、過去の成功事例。部署別に1つずつ、部署メンバーのみ
  • 第3層 案件別: 特定顧客の情報、進行中の提案、議事録。案件ごとに担当者が作り、担当者のみ

縦の軸が機密度、横の軸が業務領域です。この2軸で整理されたProjectsは、入社3日目の新人でも迷わずたどり着けます。よくある失敗は、全社共通Projectに個別の顧客情報まで入れて機密境界が崩れること、案件Projectが量産されて検索性が落ちること、部署コードが未統一で検索に引っかからないことの3つです。月次で完了案件をアーカイブに移し、IT担当が最初に部署コード表を配布することで防げます。

部署別の利用ガイドライン

ガイドラインは、全社共通の骨格1本(A4 1枚)+部署別の追加1〜2行が運用しやすいバランスです。全社共通には、入力してよい情報の範囲、入力してはいけない情報(マイナンバー、個人のクレジットカード番号、顧客の個別財務情報、未公開のM&A情報)、出力物の確認ルール、問い合わせ窓口を書きます。

部署別には1〜2行だけ足します。営業部なら「顧客の契約書・見積書の全文投入は事前同意を得てから」、経理部なら「マイナンバー・銀行口座・印鑑登録証明書の画像は入力しない」、人事部なら「個別の社員の査定情報・健康情報は入力しない」、法務部なら「進行中の訴訟・未締結の契約書は個別承認を得る」といった具合です。禁止事項を並べすぎると現場が萎縮してClaudeを使わなくなります。禁止は「絶対にダメな数個」に絞り、残りは「迷ったら相談」にしておくのがコツです。

Team活用のベストプラクティス

アカウントを配っただけでは定着しません。以下の6つのベストプラクティスで、チーム全体の活用度を最大化できます。

1. 共有プロンプトテンプレートの作成

業務で頻繁に使うプロンプトを、テンプレートとして共有します。

  • 議事録の要約プロンプト(入力: 会議録音のテキスト、出力: 要約+アクション項目)
  • 提案書の下書きプロンプト(入力: クライアント情報+提案内容、出力: A4×2ページの提案書)
  • メール返信プロンプト(入力: 受信メール+回答方針、出力: 返信文)

これらをドキュメント(Notion、Google Docs等)にまとめて全社で共有するだけでも、全員のClaude活用レベルが底上げされます。

2. 部署別Projectsの設計

部署ごとに専用のProjectsを作成します。

  • 営業部: 提案書テンプレート、商品カタログ、FAQ集
  • 人事部: 求人票テンプレート、面接質問リスト、社内規定
  • 経理部: 報告書フォーマット、勘定科目一覧、税制変更のまとめ
  • マーケティング部: ブランドガイドライン、過去の広告コピー、ターゲット定義

各Projectsに必要な資料をアップロードしておけば、新入社員でも同じ品質の成果物を出せるようになります。

3. 利用ガイドラインの策定と共有

セキュリティポリシーに加えて、日常的な利用ガイドラインも作成します。

  • Claudeの出力は必ず人間が確認してから使用する
  • 事実や数字を含む出力は、一次情報で検証する
  • 社外に送る文書は、上長の確認を経てから送信する
  • 「この使い方は判断に迷う」場合は、管理者に相談する

4. 月次の利用レビュー

管理コンソールの利用状況データをもとに、月次でレビューを行います。利用率が低い部署への追加研修、活用度が高い社員の事例共有、新しい活用パターンの発見と全社展開につなげます。

5. 成功事例の社内発信

「営業部のCさんがClaude で提案書の作成時間を60%短縮した」のような具体的な成功事例を、社内チャットや朝会で共有します。数字つきの事例が一つ出ると、まだ使いこなせていない社員の動機づけになります。

6. Claude特化の社内研修

アカウント配布後、必ずClaude特化の研修を実施してください。Claude研修と汎用AI研修の違いでも解説していますが、「ツールを渡すだけ」と「使い方を教えてから渡す」では、3ヶ月後の利用率に2〜3倍の差が出ます

コスト削減効果の試算

「月額費用は分かったけど、本当に元が取れるの?」という疑問にお答えします。

10名のチームで月額$300(約45,000円)の場合

社員の平均時給を2,500円として、一人あたり月3時間の業務時間が削減されたとします。

  • 月間の時間削減: 3時間 × 10名 = 30時間
  • 月間のコスト削減効果: 30時間 × 2,500円 = 75,000円
  • Claude Teamの月額費用: 約45,000円
  • 純粋な費用対効果: 月30,000円のプラス

実際には、文書品質の向上による顧客満足度の改善、社員のストレス軽減によるモチベーション向上など、定量化しにくい効果も加わります。多くの企業では、導入から2〜3ヶ月で投資回収に至っています

研修費は何人で元が取れるか

前の章はTeamプランの月額費用に対する試算でした。もう一つよく聞かれるのが、「プラン費用とは別に、社内研修にお金をかけて元が取れるのか」という点です。

研修の価値は、ツールを配っただけの状態と、使い方を教えてから配った状態の差に表れます。前述のとおり、この差は3ヶ月後の利用率で2〜3倍になります。研修は「せっかく契約したのに使われない」を防ぎ、1人あたりの削減時間を底上げするための投資だと考えてください。職種別にどれだけ削減できるかの実データは非エンジニアのAI自動化データ2026を参考にしてください。

ここでは、研修によって1人あたり月に3時間の削減が上乗せされる(渡すだけ→使いこなすの差)、時給2,500円、研修費は例として30万円(法人研修・内容により変動)という前提で、回収の目安を示します。

チーム人数 研修による月間の上乗せ削減価値 研修費30万円の回収期間
5名 37,500円 約8ヶ月
10名 75,000円 約4ヶ月
20名 150,000円 約2ヶ月
30名 225,000円 約1.3ヶ月

人数が多いほど回収は速くなります。10名を超えるチームなら、研修費はおおむね数ヶ月で回収でき、それ以降は毎月その分がプラスに積み上がります。 独学で一人ずつ習得させる場合と違い、研修は全員の定着タイミングをそろえられるのも利点です。

なお、各自が公式教材で独学する道筋はAnthropic Academy 公式サイト|無料のClaude公式講座にまとめています。少人数なら独学から始め、人数が増えた段階で研修に切り替える、という順序も現実的です。研修費は規模と内容で変わるため、御社の人数に合わせた正確な試算は、記事末尾の無料相談でお出しします。

よくある質問

途中でプランを変更できますか?

はい。ProからTeam、TeamからEnterpriseへのアップグレードはいつでも可能です。逆にTeamからProへのダウングレードも可能ですが、管理コンソールや共有Projectsのデータについては事前に確認が必要です。

人数(席数)は途中で増やせますか?

増やせます。管理コンソールから人数を追加し、支払い方法を確認するだけです。減らす場合も管理コンソールから手続きできますが、年払いでコミットしている分は年度途中の減数で返金されないのが一般的です。大きな人数を年払いで確保する前に、まず少人数で試運用し、定着を確認してから増やすのが安全です。

個人Proで作ったProjectsや会話履歴はTeamに移行できますか?

個人Proのデータを、Teamワークスペースに直接移行する自動機能はありません。必要なものは、Team側のProjectsへ手動でコピーして移すのが実務的です。重要なProjectsほど丁寧に手動移行し、必要なら1〜2ヶ月の併用期間を置いてから個人Proを解約してください。

支払いは日本円でできますか?

現時点では米ドル建てのクレジットカード決済です。日本円の請求書払いが必要な場合は、Enterpriseプランで対応可能です。

無料トライアルはありますか?

Teamプランの無料トライアルの有無は時期によって異なります。最新の情報はclaude.ai の料金ページでご確認ください。まずはProプランで1〜2名が試用し、効果を確認してからTeamに移行するのも現実的な方法です。

TeamプランでClaude Codeも使えますか?

はい。Teamプランのメンバーは、Claude Codeも利用できます。Claude Code の利用にはAPI利用料(従量課金)が別途かかりますが、Teamプランの管理コンソールで利用状況を把握できます。

1つのワークスペースで、他部署のProjectsは見えてしまいますか?

公開(Public)に設定したProjectsはワークスペースの全員が見られますが、非公開(Private)に設定すれば、招待されたメンバーだけがアクセスできます。部署別Projectsは基本的に非公開で作成し、必要な部署メンバーだけを招待する運用が安全です。

Teamプランに入力した情報はAIの学習に使われますか?

使われません。Teamプランでは、契約上、入力データをAIモデルの学習に使用しない設計になっています。情報セキュリティ部や顧問弁護士から確認を求められたら、契約書・利用規約・公式のTrust Center(信頼性に関する情報ページ)を共有してください。

企業導入・研修の記事マップ

まとめ

  • Teamプランは月$30/人で、管理コンソール・利用状況分析・SSO・共有Projects・Claude Codeチーム配布・SOC 2 Type II 準拠・データ学習不使用が使える
  • Proプランとの差額は1人あたり月$10(約1,500円)。論点は料金の比較ではなく、共有と管理の価値をいくらで買うかという経営判断
  • 契約から招待まで15分。最初の1週間は5人で質を高め、焦らず段階的に広げるのが定着の近道
  • 複数部署に広げるなら、5つの判断軸でワークスペースを分けるか決め、1ワークスペースなら部署コードの命名規則と3層ナレッジ設計が成功のカギ
  • 多くの中小企業にはTeamプランで十分。Enterpriseは50名超やSSO・監査ログが必要になってから
  • 導入から2〜3ヶ月で投資回収できるケースが多い

Claude Worksでは、Teamプランの導入から活用定着までを一貫してサポートする研修プログラムを提供しています。プラン選定の相談から、セキュリティポリシーの策定、社内研修の設計・実施、複数部署への展開設計まで対応します。

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