マーケ担当者のための Claude Code 活用術|月20本のコンテンツを1人で回す5つの時短レシピ
冒頭
従業員20人のIT企業で、マーケティングを1人で担当しているとする。週1本のブログ記事、隔週のメルマガ、毎日のSNS投稿、月に2〜3回のキャンペーンLP。合わせると月20本前後のコンテンツを作る必要がある。1本あたりの作業時間は、ブログ記事が3時間、メルマガが1.5時間、SNS投稿が1本15分、LPのコピーライティングが2時間。合計すると月に40時間以上をコンテンツ制作に費やしている計算だ。他にも広告運用、アクセス解析、イベント対応がある。正直、手が足りない。
Claude Code(クロード・コード)を使うと、コンテンツ制作の「下準備」と「たたき台作成」を大幅に短縮できる。Claude Code とは、あなたのパソコン内のファイルを読み書きできるAIエージェントのことだ。資料やデータを読み込ませて日本語で指示すれば、構成案、下書き、投稿文案をファイルとして出力してくれる。
この記事で分かること:
- コンテンツ制作の5大業務をClaude Code で効率化する具体的な方法
- そのまま使えるプロンプト(指示文)5本
- 「AIっぽさ」を消して自社らしい文章に仕上げるコツ
記事の最後に、マーケ担当者向けのコンテンツ制作プロンプト集(Excel形式)を無料でダウンロードできる。
Claude Code でコンテンツ制作を効率化する仕組み

図: Claude Code によるコンテンツ制作効率化の仕組み
Claude Code は、パソコン内のファイルを直接読み書きできるAIエージェントだ。基本的な使い方は「Claude Code とは|非エンジニアが知っておきたい全体像と始め方」(/articles/543)で解説しているので、初めての方はそちらを先に読んでほしい。
通常のAIチャット(ChatGPTやClaude Cowork)との違いは、ファイル操作にある。チャット型AIの場合、過去の記事やデータをいちいちコピー&ペーストしてチャットに貼り付ける必要がある。しかし、Claude Code なら「この資料フォルダの中身を読んで、ブログ記事の構成案を作って」と指示するだけで、複数ファイルを一度に読み込んで処理できる。
マーケティングのコンテンツ制作では、ここが大きな強みになる。なぜなら、よいコンテンツを作るには文脈が必要だからだ。自社の商品情報、過去に書いた記事のトーン、ターゲット顧客の属性、競合の動向。これらの情報をまとめてAIに渡せるかどうかで、出力の質が大きく変わる。
これから紹介する5つのレシピは、いずれもこの仕組みを使っている。
- ブログ記事の構成案と下書き
- メルマガの下書き
- SNS投稿文の量産
- LPのキャッチコピーと構成
- 競合コンテンツの分析
それぞれの作業時間の目安:
| 業務 | 手作業の場合 | Claude Code 活用後 | 短縮時間 |
|---|---|---|---|
| ブログ記事(月4本) | 12時間 | 6時間 | 6時間 |
| メルマガ(月2本) | 3時間 | 1.5時間 | 1.5時間 |
| SNS投稿(月20本) | 5時間 | 2時間 | 3時間 |
| LPコピー(月2〜3本) | 5時間 | 2.5時間 | 2.5時間 |
| 競合分析(月1回) | 3時間 | 1時間 | 2時間 |
| 合計 | 28時間 | 13時間 | 15時間 |
月28時間のうち約15時間を短縮できる計算だ。残りの13時間は「AIの出力を人間が編集・調整する時間」と「企画・方針判断の時間」だ。コンテンツマーケティングは自社の声で語ることが重要なので、AIの出力をそのまま使うのではなく、必ず人間が手を入れるステップを残しておく。
あなたの仕事にどう使えるか

図: コンテンツ制作の従来フロー vs Claude Code フロー
マーケ担当者(1〜2人体制)の場合
中小企業で広報・マーケを1人、または2人で回している方。ブログ、SNS、メルマガ、広告、イベントと業務範囲が広く、コンテンツ制作に十分な時間を確保できない。
Claude Code を使うと、コンテンツの「ゼロから1」を作る時間が半減する。月15時間の短縮は、週あたり約4時間。この4時間を、アクセス解析や施策の振り返りなど、なかなか手が回らなかった分析業務に使えるようになる。
マーケ部門の管理職の場合
チームメンバーにコンテンツ制作を任せているが、レビューに時間がかかる。部下の書いた記事の構成がバラバラで、毎回修正が入る。
Claude Code にトーンガイドと構成テンプレートを読ませれば、下書きの段階で一定の品質が担保される。レビューの手戻りが減り、承認までの時間が短くなる。
経営者の場合
マーケ担当の採用が難しく、1人に負荷が集中している。外注すると月30〜50万円かかる。
Claude Code は月額約3,000円(Pro プラン)で使える。1人のマーケ担当者の生産性が1.5〜2倍になれば、追加採用や外注の前に試す価値がある。
レシピ1: ブログ記事の構成案と下書き

図: ブログ記事作成の流れ
ブログ記事は、テーマ選定から公開まで平均3時間かかる。そのうち構成を考える時間が30〜45分、本文を書く時間が1.5〜2時間。この「構成+本文の下書き」をClaude Code に任せると、トータルの作業時間が半分程度になる。
事前準備
3つのファイルを用意する。
1つ目: トーンガイド(テキスト)。自社のブログでどんな文体を使っているかをまとめたもの。「です・ます調」「専門用語は避ける」「事例を必ず入れる」など、箇条書きで10〜20項目あれば十分だ。まだ作っていない場合は、過去のブログ記事3〜5本をそのままファイルにして渡してもよい。Claude Code が文体を読み取ってくれる。
2つ目: 商品・サービス情報(テキスト/PDF)。自社が何を売っているか、どんな顧客に向けているかが分かる資料。Webサイトの「会社概要」や「サービス紹介」ページのテキストをコピーしてファイルに保存したもので構わない。
3つ目: 過去のブログ記事2〜3本(テキスト/Markdown)。最近書いた記事の中から、出来がよいと思うものを選ぶ。Claude Code が文体と構成のパターンを学習する材料になる。
プロンプト例
以下のファイルを読んで、ブログ記事の構成案と下書きを作って。
- トーンガイド: 「マーケ資料/トーンガイド.txt」
- サービス情報: 「マーケ資料/サービス紹介.txt」
- 過去記事サンプル1: 「マーケ資料/過去記事_製造業DX.md」
- 過去記事サンプル2: 「マーケ資料/過去記事_在庫管理.md」
今回のブログ記事の条件:
- テーマ: 「中小製造業の在庫管理をデジタル化する3つのステップ」
- ターゲット: 従業員30〜80人の製造業の経営者・工場長
- 検索キーワード: 「中小企業 在庫管理 デジタル化」
- 文字数: 2,500〜3,500字
- 構成: 導入→課題→3つのステップ→よくある質問→まとめ
出力条件:
- まず構成案(見出しと各セクションの要点を3行ずつ)を「マーケ資料/構成案_在庫管理DX.txt」に保存
- 次に構成案に基づいた下書きを「マーケ資料/下書き_在庫管理DX.md」に保存
- 過去記事の文体に合わせること
- 段落は3〜4行ごとに区切ること
Claude Code は過去記事の文体を読み取って、自社のトーンに合った下書きを出力する。ゼロから書くより、たたき台を編集するほうが速い。3時間かかっていた作業が1.5時間程度に短縮される。
注意点: AIが生成した文章をそのまま公開すると、読者にAIっぽさが伝わることがある。下書きの段階で以下の3点を人間が手直しするとよい。
- 自社の具体的な事例・数字を追加する(AIは自社の実績を知らない)
- 「一般論」になっている箇所を、自社の強みに結びつける表現に変える
- 冒頭の書き出しは自分の言葉で書き直す(最も読者の印象に残る部分)
レシピ2: メルマガの下書き
メルマガは、書き出しの「つかみ」に毎回悩む人が多い。定型的な挨拶で始めると開封後の離脱が増えるが、毎回ユニークな書き出しを考えるのは負荷が大きい。
事前準備
2つのファイルを用意する。
1つ目: 前回のメルマガ(テキスト)。直近で配信したメルマガの全文。トーンの一貫性を保つために使う。
2つ目: 今回伝えたい内容のメモ(テキスト)。箇条書きで3〜5行程度。「新サービスのリリース告知」「来月のセミナー案内」「最近のブログ記事の紹介」など。
以下のファイルを読んで、メルマガの下書きを作って。
- 前回のメルマガ: 「マーケ資料/メルマガ_2026年3月号.txt」
- 今回の内容メモ: 「マーケ資料/メルマガ素材_2026年4月号.txt」
メルマガの条件:
- 配信対象: 自社サービスの見込み顧客(中小企業の経営者・管理職)
- 全体の長さ: 800〜1,200字
- 構成: つかみ(2〜3行)→ メイントピック → サブトピック1〜2個 → CTA
- CTAは1つだけ(セミナー申込 or ブログ記事への誘導 or 資料請求)
- 前回のメルマガと同じトーンで書くこと
- 件名案を3パターン出すこと
出力条件:
- 結果を「マーケ資料/メルマガ下書き_2026年4月号.txt」に保存
- 件名案3パターンは下書きの冒頭に記載
件名はメルマガの開封率を左右する最重要要素だ。3パターンの件名案をClaude Code に出させて、チームで一番よいものを選ぶ、というワークフローが効率的だ。
レシピ3: SNS投稿文の量産
SNS投稿は1本あたりの作業時間は短いが、毎日投稿するとなると積み上がる。1本15分×月20本で5時間。テーマのネタ切れも悩みの種だ。
以下のファイルを読んで、SNS投稿文を20本作って。
- サービス情報: 「マーケ資料/サービス紹介.txt」
- 今月のブログ記事一覧: 「マーケ資料/ブログ記事一覧_2026年4月.txt」
- 投稿実績: 「マーケ資料/SNS投稿履歴_直近3ヶ月.csv」
投稿文の条件:
- プラットフォーム: X(旧Twitter)
- 文字数: 各投稿100〜140字(日本語)
- カテゴリのバランス:
- サービス紹介: 5本
- ブログ記事の紹介: 5本
- 業界の豆知識・Tips: 5本
- 共感・問いかけ系: 5本
- 過去3ヶ月の投稿と内容が被らないこと
- ハッシュタグは各投稿に2〜3個
- 絵文字は各投稿に1〜2個
出力条件:
- 結果を「マーケ資料/SNS投稿案_2026年4月.csv」に保存
- 列: 投稿番号、カテゴリ、投稿文、ハッシュタグ、推奨投稿日
- 推奨投稿日は月〜金の営業日に均等に割り振ること
20本の投稿案が一度に出力されるので、あとは1本ずつ確認して、自社の文脈に合わないものを差し替えるだけでよい。5時間かかっていた作業が2時間程度になる。
投稿文の確認時に気をつけること:
- 事実と異なる内容がないか(AIは存在しないイベントやキャンペーンを書くことがある)
- 自社のSNSアカウントのトーンと合っているか
- 宣伝色が強すぎないか(「共感・問いかけ系」の投稿は特に注意)
レシピ4: LPのキャッチコピーと構成
キャンペーンや新サービスのLP(ランディングページ)を作るとき、最も時間がかかるのがコピーライティングだ。ファーストビューのキャッチコピー、ベネフィットの訴求、お客様の声の構成。
以下のファイルを読んで、LPのコピー案を作って。
- サービス情報: 「マーケ資料/サービス紹介.txt」
- ターゲット情報: 「マーケ資料/ペルソナシート.txt」
- 過去のLP: 「マーケ資料/LP_前回キャンペーン.txt」
- お客様の声(あれば): 「マーケ資料/お客様の声.csv」
LPの条件:
- 目的: 無料トライアル申込の獲得
- ターゲット: 従業員20〜50人の企業のマーケ担当者
- サービス名: (あなたのサービス名を入れる)
出力する項目:
- ファーストビューのキャッチコピー案: 5パターン(各20字以内)
- サブコピー案: 5パターン(各40字以内)
- ベネフィット訴求: 3つ(各100字以内、具体的な数字を含める)
- よくある不安への回答: 3つ
- CTA(申込ボタン)の文言案: 3パターン
- ページ全体の構成案(セクション順とそれぞれの役割)
出力条件:
- 結果を「マーケ資料/LPコピー案_キャンペーン名.txt」に保存
- キャッチコピーは「課題→解決策」の構造で書くこと
5パターンずつ出力させることで、チーム内で比較検討ができる。過去のLPを読ませているので、自社のトーンから大きく外れることも少ない。2時間かかっていたコピーライティングが1時間程度に短縮される。
レシピ5: 競合コンテンツの分析
競合他社がどんなコンテンツを出しているかを把握するのは重要だが、定期的にやるには時間がかかる。複数の競合サイトを巡回して、テーマや切り口を比較するのは、月に一度でも3時間はかかる。
以下のファイルを読んで、競合のコンテンツ戦略を分析して。
- 自社ブログ記事一覧: 「マーケ資料/自社ブログ一覧_2026年.csv」
- 競合Aのブログ記事一覧: 「マーケ資料/競合A_記事一覧.csv」
- 競合Bのブログ記事一覧: 「マーケ資料/競合B_記事一覧.csv」
- 競合Cのブログ記事一覧: 「マーケ資料/競合C_記事一覧.csv」
分析項目:
- 各社の記事本数(月別)
- テーマの分類(各社がどんなカテゴリの記事を多く書いているか)
- 自社が書いていないが競合が書いているテーマ(コンテンツギャップ)
- 競合が書いていないが自社が書いているテーマ(差別化ポイント)
- 各社の更新頻度
出力条件:
- 分析結果を「マーケ資料/競合分析_2026年4月.csv」に保存
- コンテンツギャップのテーマリストを「マーケ資料/記事ネタ候補_2026年4月.txt」に保存
- 記事ネタ候補にはそれぞれ想定ターゲットと推奨文字数を付けること
このレシピのポイントは「コンテンツギャップ」の発見だ。競合が取り上げているのに自社が書いていないテーマが分かれば、次に書くべき記事のネタが明確になる。月1回の分析を習慣にすると、ネタ切れに悩むことが減る。
注意点: 競合の記事一覧は、手動でCSVにまとめる必要がある。各社のブログページを開いて、タイトル・公開日・URLを一覧にする作業は最初に手間がかかるが、一度フォーマットを作れば毎月の更新は10〜15分で済む。
「AIっぽさ」を消して自社らしい文章にする3つのコツ
Claude Code が出力する文章は、そのままでは「AIが書いた感」が出ることがある。以下の3つを意識すると、自社らしい文章に仕上がる。
コツ1: 自社の具体例を差し込む。AIは自社の実績や事例を知らない。「あるお客様で」ではなく「先月、従業員40人の製造業のA社に導入した際に」のように、実際のエピソードを自分の手で追加する。
コツ2: 冒頭と結びは自分で書く。記事やメルマガの最初と最後は、最も読者の印象に残る部分だ。ここだけは自分の言葉で書くと、全体の「人間味」が上がる。
コツ3: トーンガイドを育てる。Claude Code に渡すトーンガイドは、使いながら更新していくとよい。「この表現はうちっぽくない」と思ったら、トーンガイドに「〇〇という表現は使わない」と追記する。使うほど出力の精度が上がっていく。
まとめ
コンテンツ制作の5大業務、ブログ記事・メルマガ・SNS投稿・LPコピー・競合分析。Claude Code を使えば、月28時間のうち約15時間を短縮できる。ポイントは「AIに全部書かせる」のではなく「AIに下準備とたたき台を任せて、人間は編集と判断に集中する」という使い方だ。まずはレシピ3のSNS投稿文の量産から試してみてほしい。最も手軽に始められて、効果を実感しやすい業務だ。
特典
マーケ担当者向けのコンテンツ制作プロンプト集を用意した。この記事で紹介した5つのレシピのプロンプトに加えて、トーンガイドのテンプレートと競合分析用のCSVフォーマットが入っている。ダウンロードして、自社の情報を入れ替えるだけですぐに使い始められる。
→ マーケ担当者向けコンテンツ制作プロンプト集(Excel)をダウンロードする(無料) /resources
参考リファレンス
- Anthropic 公式サイト: claude.ai
- Claude Works 関連記事:「Claude Code とは|非エンジニアが知っておきたい全体像と始め方」(/articles/543)
- Claude Works 関連記事:「営業提案書を Claude Code で自動化する|1本30分かかっていた提案書を10分で仕上げる方法」(/articles/546)
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