議事録を会議の直後に仕上げる|Claude Cowork で週5時間の手作業をなくす方法

冒頭

従業員25人の広告代理店で、総務と経理を兼任している方がいる。この方は毎週4つの会議に出席し、それぞれの議事録を翌日までに仕上げて社内に共有する役割を担っていた。1本あたり40分〜1時間。週に合計5時間。月に換算すると20時間を議事録に費やしていた。

しかも、会議が3つ重なった日は、3本目の議事録を書くころには記憶があやふやになる。フォーマットも会議ごとにバラバラで、あとから検索しても欲しい情報にたどり着けない。

この方は、Claude Cowork を使い始めてから、会議中にとったメモを貼り付けて「議事録にまとめて」と頼むだけで、5分以内に整った議事録が出来上がるようになった。週5時間が15分になった。特別なソフトも、プログラミングの知識も要らなかった。

この記事では、Claude Cowork を使って議事録作業を劇的に減らす方法を、実際の会話例つきで説明していく。記事の最後に、そのままコピーして使える議事録プロンプト集を無料で用意している。

なぜ議事録に時間がかかるのか

議事録作業に時間がかかる3つの原因
図: 議事録作業に時間がかかる3つの原因

議事録が面倒なのは、実は「書く」こと自体ではなく、その前後にある。

1つ目の原因。会議中にとったメモは、自分だけが分かる走り書きだ。「佐藤さん→来月OK」「予算120万、田中Noかも」のようなメモを、他の人が読んで分かる文章に書き直す作業に時間がかかる。

2つ目の原因。フォーマットの整形。日付、出席者、議題、決定事項、次のアクション――毎回これらを一から整えるのが地味に手間だ。前回のファイルをコピーして使い回す方も多いが、それでも15分はかかる。

3つ目の原因。会議から時間が経つと記憶が薄れる。「あの時、誰が何と言ったっけ」と思い出す作業が発生する。当日中に書ければいいが、他の業務が詰まっていると翌日以降に回ることもある。結果、確認のために同僚にチャットで聞く、録音を聞き直すなど、余計な工数が積み重なる。

Claude Cowork は、この3つの原因をまとめて解決する。メモの文章化、フォーマットの整形、構造化の3つを、AIが数十秒で処理してくれるからだ。

Claude Cowork で議事録を作る基本の流れ

議事録完成までの4ステップ
図: 議事録完成までの4ステップ

基本の流れはとてもシンプルだ。4つのステップで終わる。

ステップ1:会議中にメモをとる

いつも通り、会議中にメモをとる。ノートでもパソコンのメモ帳でもスマホでもいい。大事なのは、きれいに書く必要がないということだ。

たとえば、こんなメモでいい。


4/16 営業定例 出席 田中部長 佐藤 鈴木 山田 私

  • 4月前半の売上 1,850万 目標比92%
  • 佐藤案件A社 来週クロージング予定
  • 鈴木のB社 先方予算確保できず 来期に延期
  • 新規リード 今月38件 先月より+12件
  • 田中部長「5月の展示会準備、来週から本格化」
  • 展示会ブース予算120万 承認済み
  • 鈴木が展示会のチラシ担当 4/25までに初稿
  • 次回 4/23 同じ時間

走り書き、体言止め、矢印、略語。何でも構わない。あなたが後から見て「何の話だったか」が分かればそれで十分だ。

ステップ2:会議直後にClaude Coworkに貼る

claude.ai をブラウザで開き、メモをそのまま貼り付けて、以下のように頼む。


以下は今日の営業定例会議のメモです。これを議事録にまとめてください。

形式は以下の通りにしてください。

  • 会議名・日時・出席者
  • 議題ごとの要約(各3行以内)
  • 決定事項の一覧
  • 次のアクション(担当者・期限つき)
  • 次回の予定

(ここにメモを貼り付ける)


これだけだ。Enter を押して数十秒待つと、整った議事録が返ってくる。

ステップ3:出力結果を確認する

Claude Cowork が返す議事録は、たとえばこんな形になる。


営業定例会議 議事録

日時: 2026年4月16日(水) 出席者: 田中部長、佐藤、鈴木、山田、(記録者)

【1. 4月前半の売上状況】 4月前半の売上実績は1,850万円で、目標比92%。目標に対しやや未達の状況。後半での巻き返しが必要。

【2. 個別案件の進捗】

  • 佐藤担当のA社案件: 来週クロージング予定。順調に推移。
  • 鈴木担当のB社案件: 先方の予算確保が困難となり、来期(2026年下期以降)に延期。

【3. 新規リード状況】 今月の新規リード数は38件(前月比+12件)。増加傾向にあり、施策の効果が出始めている。

【4. 5月展示会の準備】 田中部長より、5月展示会の準備を来週から本格化する旨の共有があった。ブース予算120万円は承認済み。

決定事項:

  • 展示会ブース予算120万円を承認
  • 展示会チラシは鈴木が担当

次のアクション:

  • 佐藤: A社クロージング(4月第4週)
  • 鈴木: 展示会チラシ初稿を作成(期限: 4月25日)
  • 田中部長: 展示会準備の全体計画を来週共有

次回: 2026年4月23日(水)同時刻


メモでは「佐藤案件A社 来週クロージング予定」としか書いていなかったが、Claude Cowork が文脈を読み取り、「順調に推移」という補足を加えている。また、「鈴木のB社 先方予算確保できず」というメモから、「来期に延期」の意味を正確に汲み取っている。

もし内容に過不足があれば、そのまま追加で指示する。

  • 「決定事項に、新規リード目標の見直しは入れなくていい。議論しただけで決定はしていない」
  • 「佐藤のA社クロージングの期限を4月22日に修正して」
  • 「出席者に役職をつけて。佐藤は主任、鈴木はリーダー」

こうした微調整を1〜2回やれば、共有できる状態の議事録が完成する。ここまでにかかる時間は、会議直後の5分程度だ。

ステップ4:社内に共有する

完成した議事録をコピーして、普段使っているツール(Slack、メール、Notion、Google ドキュメントなど)に貼り付ける。Claude Cowork はテキスト形式で出力するので、どのツールにもそのまま貼れる。

会議の種類別:頼み方のテンプレート

会議にはいくつかの種類がある。種類によって議事録のまとめ方を変えると、読む側にとって格段に分かりやすくなる。ここでは、非エンジニアの方がよく出席する4つの会議タイプごとに、Claude Cowork への頼み方を紹介する。

経営会議・役員会議の場合

経営判断に関わる会議は、「何が決まったか」と「何が保留になったか」が最も重要だ。


以下は本日の経営会議のメモです。以下の形式で議事録にまとめてください。

形式:

  • 日時・出席者
  • 決定事項(承認・却下・保留を明記)
  • 各議題の概要(結論を先に書き、議論のポイントを3行以内で)
  • リスク・懸念事項
  • 次のアクション(担当者・期限)
  • 次回予定

社長と役員が読む前提で、簡潔にまとめてください。

(メモを貼り付ける)


「社長と役員が読む前提で」と伝えることで、Claude Cowork は簡潔で結論先行の文体にしてくれる。

プロジェクト進捗会議の場合

プロジェクトの進捗会議は、「予定通り進んでいるか」「遅れている箇所はどこか」が焦点になる。


以下はプロジェクト進捗会議のメモです。以下の形式で議事録にまとめてください。

形式:

  • 日時・出席者・プロジェクト名
  • 全体の進捗状況(予定比でオンスケ/遅延/前倒しを明記)
  • 各タスクの進捗(担当者・ステータス・完了予定日)
  • 課題・ブロッカー(解決策が出ていれば併記)
  • 次のマイルストーン
  • 次回予定

(メモを貼り付ける)


1on1・面談の場合

上司と部下の1on1や、クライアントとの面談は、「相手が何を言ったか」の正確な記録が重要になる。


以下は本日の1on1面談のメモです。面談記録にまとめてください。

形式:

  • 日時・参加者
  • 話題ごとの要約
  • 相手の発言のうち重要なもの(意訳OK、ただし趣旨を変えない)
  • 合意事項
  • 次のアクション(双方の分担)
  • 次回予定

(メモを貼り付ける)


定例ミーティング(週次・月次)の場合

定例会議は回数が多い分、前回との差分が分かるようにまとめるのがコツだ。


以下は今週の定例ミーティングのメモです。議事録にまとめてください。

形式:

  • 日時・出席者
  • 前回のアクション項目の進捗確認
  • 今回の議題と要約
  • 新たな決定事項
  • 次のアクション(担当者・期限)
  • 次回予定

前回の議事録は以下です。前回との差分が分かるようにしてください。 (前回の議事録を貼り付ける)

(今回のメモを貼り付ける)


前回の議事録を一緒に貼り付けることで、「前回のアクション項目が今回どうなったか」を自動で追跡してくれる。これは手作業だと特に面倒な部分なので、効果が大きい。

録音テキストから議事録を作る

メモをとるのが苦手、あるいは会議中は議論に集中したいという方には、録音テキスト(文字起こし)から議事録を作る方法もある。

手順はこうだ。

1つ目。会議を録音する。スマホのボイスメモ、Zoom の録画機能、Google Meet の録画機能など、普段使っているものでいい。

2つ目。録音を文字に起こす。無料の文字起こしサービス(Google ドキュメントの音声入力、notta、CLOVA Note など)を使って、音声をテキストに変換する。精度は100%ではないが、概要が分かれば十分だ。

3つ目。文字起こしテキストを Claude Cowork に貼る。


以下は本日の営業会議(60分)の文字起こしテキストです。以下の形式で議事録にまとめてください。

  • 会議名・日時・出席者(発言者名から推定してください)
  • 議題ごとの要約(各5行以内)
  • 決定事項
  • 次のアクション(担当者・期限)
  • 次回の予定

注意: 雑談・脱線部分は省いてください。業務に関係する内容だけをまとめてください。

(文字起こしテキストを貼り付ける)


Claude Cowork は、長い文字起こしテキスト(1万字以上でも対応可能)から、議題を自動で分類し、決定事項とアクションを抽出してくれる。60分の会議の文字起こしが1万5,000字あっても、構造化された議事録に変換するのに30秒〜1分程度だ。

注意点が1つある。文字起こしの精度が低いと、固有名詞(人名・社名・製品名)が間違って認識されることがある。出力された議事録で、人名や社名が正しいかは必ず確認してほしい。

議事録の質を上げるコツ

普通の頼み方と、質が上がる頼み方
図: 普通の頼み方と、質が上がる頼み方

基本の流れが分かったところで、議事録の質をさらに上げるコツを4つ紹介する。

コツ1:読む人を明示する

同じ議事録でも、誰が読むかによって書き方は変わる。

  • 「社長が読みます。要点だけ、A4で1枚以内にしてください」
  • 「プロジェクトメンバー全員が読みます。技術的な詳細も残してください」
  • 「クライアントに共有します。社内の機密に触れる部分は省いてください」

この一言を加えるだけで、出力の粒度と文体が適切に調整される。

コツ2:フォーマットを統一する

毎回同じ形式の議事録を求める場合、Claude Cowork のProjects(プロジェクト)機能を使うと便利だ。議事録のフォーマットをプロジェクトに保存しておけば、毎回フォーマットを書く必要がなくなる。

「いつもの形式で議事録にして」だけで通じるようになる。

Projects 機能がまだ分からない方は、議事録フォーマットをメモ帳やNotionに保存しておいて、毎回コピペする方法でも十分だ。

コツ3:「決定事項」と「議論中」を分けてもらう

議事録で一番困るのは、「これは決まったことなのか、まだ議論中なのか」が曖昧になることだ。Claude Cowork に「決定事項と、まだ結論が出ていない検討中の項目を分けてください」と一言添えれば、明確に分離してくれる。

コツ4:アクション項目に必ず期限と担当者をつけてもらう

「次のアクションには、必ず担当者名と期限を入れてください。メモに期限が書かれていない場合は、次回会議日を仮の期限として入れてください」と伝えると、期限のないアクションが生まれなくなる。

週5時間が15分になる計算

具体的に、どれくらい時間が節約できるのか試算してみる。

議事録1本あたりの作業時間(従来):

  • メモの整理: 10分
  • 文章化: 20分
  • フォーマット整形: 10分
  • 確認・修正: 10分
  • 合計: 50分

議事録1本あたりの作業時間(Claude Cowork 利用後):

  • 会議中のメモ: 0分(従来通りとるだけ)
  • Claude Cowork に貼り付けて指示: 1分
  • AIの処理待ち: 30秒
  • 内容確認・微修正: 3分
  • 合計: 約5分

週に4本の議事録を書いている場合:

  • 従来: 50分 x 4本 = 200分(3時間20分)
  • Claude Cowork 利用後: 5分 x 4本 = 20分
  • 削減時間: 週3時間

月に換算すると約12時間。年間で約150時間の削減になる。

会議が多い管理職の方なら、週6本以上の議事録を書いているケースもある。その場合、週5時間以上の削減も現実的だ。

浮いた時間を、会議で決まったことの実行に充てる。これが議事録AI化の本当の価値だ。

よくある不安と答え

「議事録の内容が正確かどうか、信頼できる?」

Claude Cowork はあなたのメモや録音テキストをもとに議事録を作る。元の情報にないことを勝手に付け足すことは基本的にない。ただし、AIが文脈を補う際に、意図と違う解釈をすることはありえる。だから、最終確認は必ず自分でする。特に「決定事項」と「金額」と「期限」の3つは、毎回目を通してほしい。

「機密性の高い会議の内容を入力して大丈夫?」

Anthropic社は、Proプラン以上のユーザーの入力データをAIの学習に使わないと明示している。ただし、役員人事や未公開の財務情報など、特に機密性の高い内容を扱う場合は、社内のセキュリティポリシーを確認した上で使ってほしい。心配な場合は、固有名詞を仮名にして入力し、出力後に本名に置き換える方法もある。

「録音の文字起こしが間違っていたら、議事録も間違う?」

その通りだ。Claude Cowork は入力されたテキストを信頼して処理するので、文字起こしの誤りはそのまま議事録に反映される可能性がある。対策として、録音テキストとメモの両方を入力する方法がある。「以下のメモと録音テキストの両方を参考にして議事録を作ってください。メモの内容を優先してください」と指示すれば、精度が上がる。

「議事録以外にも使える?」

使える。同じ要領で、商談記録、面談メモ、セミナーの要約、研修記録なども作れる。「メモやテキストを構造化する」という作業は、Claude Cowork が最も得意とする分野の1つだ。

まとめ

議事録は、会議の価値を残すために必要な作業だが、その作業自体が価値を生んでいるわけではない。Claude Cowork を使えば、会議中のメモを貼り付けるだけで、数分で構造化された議事録が完成する。週に何本も議事録を書いている方ほど、効果を実感できるはずだ。まずは次の会議の後、1本だけ試してみてほしい。

特典

この記事で紹介した議事録プロンプト(AIへの頼み方テンプレート)を、会議タイプ別にまとめたPDFを用意した。経営会議・進捗会議・1on1・定例ミーティング・商談記録の5パターン。そのままコピーして Claude Cowork に貼り付ければ使える。

→ 議事録プロンプト集PDFをダウンロードする(無料) /resources

参考リファレンス

  • Anthropic公式サイト: Claude Cowork の製品紹介ページ
  • Claude Works 関連記事: 「Claude Coworkとは|非エンジニアが今日から仕事に使えるAIアシスタントの全体像」
  • Claude Works 関連記事: 「Claude Codeとは|非エンジニアが知っておきたい全体像と、あなたの仕事での使いどころ」