何がリリースされたか

2026年4月8日、AnthropicClaude Code v2.1.97 をリリースしました。今回のアップデートは「新機能の追加」よりも「権限まわり・MCP・NO_FLICKERモードの安定化」が中心の、実務ユーザー必携のメンテナンスリリースです。特に --dangerously-skip-permissions が暗黙的に降格していたバグや、MCP HTTP/SSE接続のメモリリーク(毎時約50MB)が修正されており、長時間セッションを回しているチームは即アップデート推奨です。

本記事は2026年4月公開のClaude Code v2.1.97のリリース解説です。当時の変更点を歴史的な記録としてそのまま残しています。その後も更新は毎週のように続いているため、現在の最新動向はClaude Code最新アップデートまとめで確認してください。

アップグレードは以下のコマンドで実行できます。

# npm経由
npm install -g @anthropic-ai/claude-code@latest

# バージョン確認
claude --version
# => 2.1.97

新機能:フォーカスビューとステータスライン拡張

最大の目玉は NO_FLICKERモードのフォーカスビュー です。Ctrl+O で切り替えると、プロンプト・1行のツール要約(編集差分の統計付き)・最終応答だけを表示する集中モードになります。長いログに埋もれがちな「自分が何を聞いて、Claudeが何を返したか」だけをサッと振り返れるため、コードレビューや議事録作成時に便利です。

ステータスライン関連も強化されました。

// .claude/settings.json
{
  "statusLine": {
    "command": "~/bin/my-statusline.sh",
    "refreshInterval": 5
  }
}
  • refreshInterval: N秒ごとにステータスラインコマンドを再実行可能に。CIの状態やトークン残量など動的な情報を常時表示できます。
  • workspace.git_worktree: ステータスラインに渡されるJSONに、現在のディレクトリがリンク済みworktree内かどうかを示すフィールドが追加。worktreeを多用する開発フローで現在地を可視化できます。

さらに /agents 画面には、稼働中のサブエージェント数を示す ● N running インジケーターが表示されるようになり、並列実行中のエージェントが一目で分かります。地味ですが、.cedar / .cedarpolicy ファイルのシンタックスハイライトも追加されました。

重大なセキュリティ・権限バグ修正

今回のリリースで特に注目すべきは 権限まわりの修正群 です。

  • --dangerously-skip-permissions の暗黙降格を修正: 保護パスへの書き込みを承認した後、知らぬ間にaccept-editsモードに降格していた問題を修正。CIや自動化スクリプトで権限スキップを使っているユーザーは、これまで意図せず確認プロンプトに引っかかっていた可能性があります。
  • Bashツール権限の堅牢化: 環境変数プレフィックスやネットワークリダイレクトのチェックを厳格化しつつ、よくあるコマンドでの誤プロンプトを削減。
  • toString などプロトタイププロパティ名の権限ルール: これらの名前を使うと settings.json がサイレントに無視されていた問題を修正。
  • 管理者設定の許可ルールがプロセス再起動まで残る問題を修正。
  • permissions.additionalDirectories のセッション中変更が反映されない問題、および --add-dir で渡したディレクトリが設定削除で巻き込まれる問題 も修正されました。

また、Accept Editsモードが LANG=C rm footimeout 5 mkdir out のような 安全な環境変数・プロセスラッパー付きコマンドを自動承認 するようになり、日常的なコマンドの確認頻度が下がります。

MCP・レート制限・`/resume` まわりの修正

MCPユーザーにとっても重要な修正があります。

  • MCP HTTP/SSE接続のメモリリーク: サーバー再接続時に毎時約50MBの未解放バッファが蓄積していた問題を修正。
  • MCP OAuth oauth.authServerMetadataUrl がトークンリフレッシュ時に尊重されない問題を修正(ADFSなどのIdP対応)。

レート制限関連では、429リトライが小さいRetry-Afterを受け取ると約13秒で全リトライを使い切ってしまう問題が修正され、指数バックオフが最小値として適用されるようになりました。コンテキスト圧縮後にレート制限のアップグレードオプションが消える問題もあわせて修正されています。

/resume ピッカーまわりも大量に修正されました。

# 名前指定の resume が編集不可で開く問題などが修正済み
claude --resume my-session

10KB超のファイル編集差分が --resume で消える問題、添付メッセージがトランスクリプトに保存されずキャッシュミスする問題、Claude作業中に入力したメッセージが永続化されない問題なども解消されました。

NO_FLICKERモードの安定化

NO_FLICKERモードは数多くの細かい不具合が修正され、実用レベルに大きく近づきました。

  • zellij内でのスクロール描画アーティファクト修正
  • MCPツール結果ホバー時のクラッシュ修正
  • APIリトライ時のストリーミング状態リークによるメモリリーク修正
  • Windows Terminalでのマウスホイールスクロールの遅さ改善
  • 24行未満のターミナルでカスタムステータスラインが表示されない問題修正
  • WarpでのShift+Enter / Alt・Cmd+矢印ショートカット対応
  • Windows上での日本語・韓国語・Unicodeコピー時の文字化け修正

最後の修正は日本のエンジニアにとって特に重要で、Windows環境でClaude Codeを使う際の日本語コピペ問題が解消されています。

常設ガイド: メンテナンスリリースは「今すぐ更新するか」をどう判断するか

ここからは、このバージョンに限らず使える話です。v2.1.97のようなバグ修正中心のリリースは毎週のように出ます。全部を精読する必要はまったくありませんが、判断を誤ると、今回の権限降格バグのように自動化の仕組みが音もなく壊れます。私は次の3つの質問で更新のタイミングを決めています。

アップデートを当てるかの判断3ステップ

質問1: セキュリティや権限に関わる修正が含まれるか

含まれるなら、内容を細かく理解できなくても即更新します。理由は、権限まわりの不具合は「動かなくなる」という分かりやすい形ではなく、「本来止まるべき操作を黙って通してしまう」という気づきにくい形で現れることが多いからです。放置している間のリスクが読めないので、迷う時間がもったいない領域です。

質問2: 自分が毎日使う機能の修正が含まれるか

リリースノートの修正一覧をすべて読む必要はありません。自分の使い方に関係する単語(たとえばWindowsで使っているならWindows、外部ツール連携を使っているならMCP)だけを拾い読みします。該当する行があれば当日中に更新、なければ急ぐ理由はありません。自分の環境に関係する行だけ探す、と決めておくとリリースノートは3分で読み終わります。

質問3: 直後に締め切りの近い作業を控えていないか

逆に、更新を少し待つべき場面もあります。アップデート自体が新しい不具合を持ち込むことも稀にあるからです。実際、この直前のv2.1.94では認証まわりの後退バグが混入し、緊急パッチのv2.1.96で修正されるまで一部の環境で作業が止まりました。大事な納品や発表の直前にわざわざ環境を変えず、作業が一段落したタイミングで更新するのが安全です。

更新後の30秒チェック

更新したら、次の3つだけ確認する習慣をつけてください。

  • claude --version で意図したバージョンになっているか
  • 普段のプロジェクトでClaude Codeが正常に起動するか
  • 外部ツール連携(MCP)を使っている場合は /mcp で接続状態を確認

この30秒を惜しむと、翌朝の忙しい時間帯に「なぜか動かない」から一日が始まります。逆に、この30秒をアップデートのたびに続けていれば、不具合を踏んだ場合でも「昨日の更新が原因」とすぐ当たりが付くので、原因調査に半日を溶かすことがなくなります。チームで使っている場合は、まず1人が更新して問題ないことを確かめてから全員に展開する、という段取りにするとさらに安全です。

非エンジニアの方へ: この記事の用語ひとこと解説

リリースノート系の記事には専門用語が多いので、本記事に登場した主要な言葉を1行ずつ補足します。

  • MCP: Claudeと外部ツール(スプレッドシートや社内システムなど)をつなぐ接続規格のことです
  • worktree: 同じプロジェクトの作業場所を複数に分けて並行作業するための仕組みです
  • CI: コードの検査や配布を自動で行う仕組みで、人手を介さずClaude Codeを動かす場面を指します

このあたりの前提から知りたい方は、Claude Code 使い方 完全ガイド2026で基礎から順に確認できます。また、ブラウザで使うClaudeとClaude Codeのどちらを使うべきか迷っている方はClaude Code と Claude の違いが判断の助けになります。

まとめ

v2.1.97は派手な新機能こそ少ないものの、権限・MCP・/resumeNO_FLICKERモード という日常運用の根幹に関わる修正が大量に含まれた重要リリースです。特に以下に該当する人は今すぐアップデートしてください。

  • --dangerously-skip-permissions を自動化で使っている
  • MCPサーバーを長時間接続している
  • Windows環境で日本語を扱っている
  • worktreeやサブエージェントを並列運用している
npm install -g @anthropic-ai/claude-code@latest && claude --version

フォーカスビュー(Ctrl+O)も一度試してみる価値ありです。

こうした毎週の更新を自分で追い切るのが大変な方向けに、直近の重要アップデートと活用法を1冊に整理した2026年最新 Claude活用大全を無料で配布しています。まとめて追いつきたいときにどうぞ。