AI副業を始めるなら、自分が内容を確かめられる仕事で、納品物を1つ作るところから試してみてください。AIで文章や資料を作れても、それだけで仕事の依頼や収入が得られるとは限りません。依頼の整理、内容の確認、修正への対応まで含めて、提供できるものを決めます。
この記事では、議事録作成を例に、架空の依頼・入力メモ・納品見本・確認表を用意しました。見本は編集部がAI支援で制作した練習例です。実案件の受注・販売は行っておらず、Claudeアプリでの実機操作、収益化までの日数、作業時間の短縮は未測定です。
AI副業で、何を仕事にするか
最初は、普段の仕事で良し悪しを判断できる作業を候補にします。文章が得意なら要約や議事録、表計算に慣れていれば集計資料などです。次の表は案件相場や収益ランキングではなく、試作品を選ぶための整理です。
| 候補 | 最初に作る納品見本 | 人が確認すること |
|---|---|---|
| 議事録の整理 | 決定・未決・作業を分けた会議要約 | 元メモとの一致、担当者と期限 |
| 営業資料の作成補助 | 架空データによる報告スライド | 数字、根拠、編集できる形式 |
| SNS投稿の原稿作成 | 公開情報から作る投稿文と確認表 | 日付、商品情報、利用できる画像 |
| Excel集計の作成補助 | 少量のサンプル表と集計結果 | 合計、数式、提出先での動作 |
選ぶ基準は「AIが作れるか」に加えて、自分が誤りに気づけるかです。専門知識が必要な助言や、正誤を判定できない教材を最初の納品物にすると、確認の工程を設計しにくくなります。
Claudeの公式案内では、無料を含む各プランでファイル作成を利用できます。ただし利用上限や組織設定の条件があり、無料で無制限に作業できるという意味ではありません。練習段階で、先に有料契約を増やす必要はありません。
今回の練習:会議メモから議事録を作る
今回は、録音の文字起こしを含めず、すでに文字になっている会議メモを整理します。話者の聞き分けや録音品質の評価まで試したことにはなりません。
依頼条件を先に決める
| 項目 | この練習の条件 |
|---|---|
| 依頼者 | 架空企業の営業担当者 |
| 入力 | 以下の短い会議メモのみ |
| 成果物 | 決定・未決・作業・確認事項をまとめた議事録 |
| 形式 | ブラウザで読めるHTMLと、編集用のMarkdown |
| 含めない作業 | 録音、外部調査、公開日の決定、実際の配信 |
実案件では、このほかに納期、料金、修正の範囲、AI利用の可否、資料の受渡しと削除方法を依頼者と確認します。ここでの条件は、契約書の代わりになるものではありません。
AIに渡す入力と依頼文
次の文章を練習に使えます。人名・会社・会議内容は架空です。
以下の会議メモだけを根拠に、議事録を作ってください。
出力は「決定事項」「未決事項」「作業一覧」「確認が必要な点」。
作業一覧には担当者と期限を付け、記載がなければ「未定」としてください。
推測した内容を決定事項にしないでください。
各項目に、根拠となったメモの行番号を付けてください。
会議メモ(架空)
1. 2026年10月9日、営業資料の更新について打合せ。
2. 公開済みの製品紹介ページを更新することは決まった。
3. 佐藤が紹介文の原稿を10月13日までに送る。
4. 鈴木が既存画像の利用条件を確認する。期限は未定。
5. 10月16日公開という案が出たが、公開日はまだ決めていない。
6. 最終承認者は次回決める。
7. 新しい価格は今回の議題に含めない。
納品見本と、元メモとの答え合わせ
見本は次のように整理しています。AIから返ってきた文章も、同じ基準で確認できます。
| 区分 | 見本に記載する内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 決定 | 公開済みの製品紹介ページを更新する | 2行目 |
| 未決 | 公開日、最終承認者 | 5・6行目 |
| 作業 | 佐藤:紹介文の原稿を送付、期限10月13日 | 3行目 |
| 作業 | 鈴木:既存画像の利用条件を確認、期限未定 | 4行目 |
| 対象外 | 新しい価格の検討 | 7行目 |

図解を大きく見る ↗
図では、公開日を「未決」に、原稿送付を「作業」に分けています。原稿の送付期限と、ページの公開日は別の日付です。
誤りを見つける練習
「佐藤が10月13日に原稿を承認し、10月16日に公開する」という文が出たら、そのまま納品できるでしょうか。
この文は修正が必要です。メモにある佐藤の役割は原稿の送付で、承認ではありません。10月16日は案の段階で、公開は決まっていません。最終承認者も未定です。修正後は「佐藤が10月13日までに原稿を送付する。公開日と最終承認者は未定」とします。
読みやすい文章でも、未決事項が決定に変わっていないかを確かめます。これが、文章を生成するだけでは終わらない仕事の一部です。
「何分で作れた」より、修正を含めて記録する
この見本から分かるのは、短いメモを納品形式へ整理する方法です。長い会議で同じ品質を保てるか、顧客が対価を払うか、継続して受注できるかは確かめていません。
自分で試すときは、次の記録表を使います。AIへの依頼時間だけでなく、人が読む時間と修正時間も分けて残してください。
| 工程 | 記録するもの |
|---|---|
| 依頼の確認 | 質問した内容、合意した成果物、所要時間 |
| 入力の準備 | 入力許可、情報の削除・置換、所要時間 |
| 下書き | 使用したツール、依頼文、出力、所要時間 |
| 確認・修正 | 元資料と違った箇所、直した内容、所要時間 |
| 納品準備 | ファイルの表示確認、説明文、所要時間 |
AIを使う場合と使わない場合を比べるなら、入力の長さと完成基準をそろえます。今回の記事では、この比較による時短効果は測定していません。
費用と受注条件を見積もる
仕事にする場合は、案件の代金だけで判断せず、販売手数料、作業に使った費用、確認・連絡・修正にかかる時間を並べます。次は計算方法を確認するための仮定で、相場や実際の受注実績ではありません。
仮定:受取前の案件代金 5,000円
仮定:販売手数料等 1,000円
仮定:この案件に割り当てるツール費等 500円
差引額:5,000 − 1,000 − 500 = 3,500円
仮定:準備・作業・確認・連絡の合計 3時間
時間当たりの差引額:3,500 ÷ 3 ≒ 1,167円
追加修正で合計4時間になった場合:3,500 ÷ 4 = 875円
税金などはこの計算に含めていません。手数料や必要経費は使うサービスと案件ごとに異なります。月額契約を複数案件で使う場合は、1件への割当根拠も記録してください。売上と手元に残る金額、使った時間を分けると、修正範囲をどこまで引き受けるか考えやすくなります。
最初に提案するときは「AIなら何でもできます」と広げず、「文字になった会議メモを、決定・未決・作業一覧に整理する」のように成果物を具体化します。今回の見本を参考にする場合も、実案件の実績と表示せず、練習用の制作物だと伝えます。
納品時の説明まで、架空案件で練習する
本文の会議メモから議事録を作ったら、何を確認して渡すのかを短く説明します。次の文章は架空案件の納品連絡の見本で、実際に依頼者へ送信したものではありません。営業実績や顧客の評価として使わないでください。
議事録の確認用原稿をお送りします。
いただいた7行のメモを根拠に、決定・未決・作業・確認事項を整理しました。
確認した点:
・佐藤さんの役割は原稿の送付で、最終承認ではありません。
・10月13日は原稿の送付期限です。
・10月16日は公開日の候補であり、公開決定とは記載していません。
・鈴木さんの作業期限と、最終承認者は未定としています。
確認をお願いしたい点:
公開日、最終承認者、鈴木さんの期限が、その後決まっていればお知らせください。
元メモにない情報の追加は、確認後に反映します。
依頼者が確認すべき点が見えると、文書全体を漠然と読み直してもらうより、どこに回答が必要かが分かります。未決を消して「すべて完成」と伝えるのではなく、今回の入力から完成できた範囲を説明してください。
修正依頼の範囲を見分ける
たとえば、依頼者から次の2種類の連絡が来たと仮定します。どちらも架空です。
| 連絡 | 性質 | 対応の考え方 |
|---|---|---|
| 鈴木の期限が10月13日になっているが、元メモでは未定 | 元資料との不一致 | 原稿の誤りとして修正し、同じ誤りが他にもないか確認 |
| 別の60分会議の録音も文字起こしして加えてほしい | 入力・作業範囲の追加 | 元の見積・納期に含むか確認してから対応 |
後者は、短い文字メモを整理する仕事から、録音の処理を含む仕事へ広がっています。同じ「議事録」という名前でも必要な作業は違います。料金を先に決める場合は、入力形式、長さ、話者の数、音声の聞き取りやすさ、確認方法、修正の範囲を整理してください。
練習記録でも、AIへ依頼した時間だけでなく、追加の説明や修正にかかった時間を残します。前の費用例で示したように、修正が増えると時間当たりの差引額は変わります。実際に測っていない時間を、見積の根拠として確定値のように使わないようにします。
ポートフォリオには制作条件を添える
練習用の議事録を見せるときは、架空データであること、入力が短い文字メモであること、録音の文字起こしや実案件の取引実績ではないことを明記します。そのうえで、元メモ、完成見本、確認表を並べると、何を整理し、どの誤りを防いだかを説明できます。
件数や収入の大きさを作るより、元資料から正しく仕上げられる範囲を示すことを優先します。実案件へ進む段階では、利用するサービスの条件、AI利用の可否、受渡し方法、納期と修正条件を相手と確認し、練習と同じ確認工程を確保してください。
依頼を受ける前の確認
会社員は勤務先の副業・兼業のルールを確認してください。厚生労働省は、就業規則や労働時間・健康管理などの確認に使えるガイドラインを公開しています。
仕事の資料を外部AIに渡してよいかも、受注前に確認します。顧客の資料を無断で投入せず、利用する契約・設定・入力範囲をそろえます。具体的な判断方法はClaudeに社内情報を入力する前の確認手順で説明しています。
また、消費者庁は「簡単に稼げる」と勧誘して高額な副業サポート契約を結ばせ、報酬が得られない事例について注意を呼びかけています。収入の約束だけで申込みを決めず、仕事の内容、費用、契約条件を確かめてください。
まずは、説明できる見本を1つ作る
最初の目標は、納品物を見せながら「何を整理し、どこを確認し、何は対応しないか」を説明できる状態です。練習で見つかった誤りと修正内容も残すと、自分が引き受けられる範囲を判断できます。
資料作成を試す場合は週次報告をPPTXにする手順と完成見本へ進めます。
出典・参考資料
公式資料の確認日:2026年10月9日。
改稿について:旧版の6人の収益体験談は、取材記録や収益の裏付けを確認できなかったため掲載を取りやめ、練習用の制作例に差し替えました。






